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ドッキリ!実話

替え玉 (1/6)

― あて逃げ ―

 長年、交通事故事案を扱っていますと、あて逃げされた被害者からの依頼もときどきあります。
 この件もそうでした。
 依頼人である沼さんは44歳、タクシーの運転手をしています。4月の午前5時前、仕事で客を送り届けたあと、沼さんが横浜市内の交差点を青信号に従って直進しようとしたところ、右側の交差道路から乗用車に当てられました。乗用車が赤信号を無視したのです。運転していたのは、座間味という名の49歳の男です。
 衝突したあと、座間味は加害車両を運転して現場から逃走しました。でも座間味はその日のうちに伊勢崎署に逮捕されます。幸いにも、新聞配達のバイクの青年が加害者両のナンバーをおぼえていたからです。あて逃げ車両の所有者は40代の女性で、彼女が彼に車を貸したこともわかりました。
 座間味を立会わせて現場検証も行われました。
 本人は被疑者調書の中で供述しています。
「午前5時前で交通量も少なかったため、どうせ車は来ないだろうと思って、赤信号を無視して突っ切ろうとしました」
 現場には、座間味の手帳と診察券が落ちていました。彼は水虫の治療のため、病院通いをしていたといいます。交通課の刑事からそれらを見せられたとき、彼はこう語っています。
「自分のものに間違いありません。ぶつけたあと、相手がどうなったのか確かめようと外にでたとき、あわてていたんで落としたんだと思います」
 あて逃げというのは、道路交通法上の救護義務違反、報告義務違反になります。被害者にけがを負わせている場合には、刑法の業務上過失致傷罪が加わります。
 座間味は3日間、留置場に入れられただけで、釈放されました。 いったんは逃げたものの、すなおに罪を認めたからです。とりあえず処分保留のままの釈放です。被害者の沼さんの健康の回復を待って、沼さんからも話を聞き、きちんとした処分を決めようと伊勢崎署は考えたのです。

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