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交通事故弁護士・加茂隆康の情熱実話 「医療調査」-6の2 《Y損保の2枚舌-2》

2017.05.12

「医療調査」-6の2
  
Y損保の2枚舌-2
 
 はたして彼の話は本当なのか。弁護士としての勘で、疑問を抱きました。私は、病院の主治医の先生に面会を求めます。その結果、彼のいっているのは大嘘であることが判明します。
 
 医師の先生は溜息まじりにいいました。
「うちでは1点15点まで下げてもいい。その代わり10か月分の診療報酬を認めてもらいたいといったんです。ところが矢部という男は、何ていったと思いますか。1点15円でも高すぎる。初診時にさかのぼって健保診療扱いにし、1点10円にまけよ。しかも診療報酬としてY損保が支払えるのは、事故から3か月分だけだ。それを呑めないなら、うちでは一切支払わないと迫るんです。もう脅しですよね。うちの治療費は1点20円として計算して160万円を請求していました。それを1点15円に下げますと、120万円になります。それだけでも40万円の損失です。矢部のいうのは、1点10円、しかも接骨院とうちの治療費を含めて3か月分だけですから、うちの分はたった2か月分、合計16万円ですよ。これで我慢しろというのがY損保の言い分なんです」
 
 要するに矢部は、被害者の代理人弁護士である私には病院のせいにして、この交通事故の賠償金の増額を拒みました。一方病院に対しては、単価を1点15円まで下げることを医師が了解しているにもかかわらず、さらにそれを健保診療の単価1点10円まで下げさせたうえに、整形外科での治療期間を2か月で打ち切らせようとしていたのです。
 
「医療調査」7へ続く)

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交通事故弁護士
加茂隆康事務所
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