ドッキリ!実話

替え玉 (2/6)

― 捜査の棚上げ ―

 沼さんは頚椎捻挫、頚肩腕症候群のけがをしました。治療は予想以上に長びき、1年近く病院通いをします。1年経った時点でも、頭痛や頚部痛、左頚から肩にかけての腫脹感がとれません。主治医は彼のために後遺障害診断書を書きました。
 私は沼さんの代理人として、自賠責保険会社へ後遺障害等級の認定を求めます。請求は却下されました。自覚症状のみの神経症状では、最低等級である14級にもあたらない(「非該当」)という理由からです。たしかに彼の場合、神経症状についての他覚的所見(医師が客観的にみて、神経症状があると判断できるもの)がなかったため、このように判定されたのも致し方なかったでしょう。逆にいえば、それほど大きな後遺障害ではなかったといえますから、不幸中の幸いと解釈することもできます。
 自賠責保険会社に等級の申請をだし、それについての回答がくるまで約3か月かかっています。
 事故時からはすでに1年4か月が経過していましたが、この間も警察での座間味に対する捜査は棚上げにされたままでした。なぜこんなに長く刑事処分の手続きを保留にしてあったのか、理由はわかりません。警察の怠慢と私は推測しています。

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